【直流ワールドを広めよう!】第4回 スマホに充電してみたい!基本の直流ワールド

第3回では、田路先生のお部屋を訪ね、進化し続ける直流ワールドを見せて頂きました。
第4回では、スマホの充電を例に、直流ワールドをDIYする際の基本について教わります。

スマホに充電できるくらいの程良いサイズの直流ワールドをつくろうと思ったら、まず何から始めれば良いのでしょう。

田路先生:
「スマホに充電したい場合、まずスマホの充電時の入力電圧を確認する。そして、その電圧以上ある太陽光パネルを使う。太陽光パネルの価格は発電量(W)に比例するので、オーバースペックにならない程度に選ぶといい。」

早速、iPhone6sの電圧を確認します。

ACアダプタにはoutput:5V===1Aと表示されています。
電圧は5V、電流は1Aです。

すると、田路先生が、第3回で使われている太陽電池モジュールと同じものを1枚使って、スマホに充電できるようにDIYしてくださいました。

▲太陽電池モジュール1枚:サイズは約1m×37cm
太陽電池モジュールの裏側からは2本の導線(プラスとマイナス)が出ています。

太陽電池モジュールの1㎡あたりの仕様(第3回同様)
公称最大出力 46W
公称開放電圧 7.3V
公称短絡電流 8.59A
公称最大出力動作電圧 5.9V
公称最大出力動作電流 7.90A


モジュールの裏側から出ている太い導線は、端子台を経由して、降圧コンバータ→USBケーブルの差し込み口、という順番に繋がっています。

端子台は、一般的には配線を整える中継点として使われる電子部品です。

降圧コンバータは、スマホが壊れないように、電圧をスマホの耐圧以下に調整するためのものです。

では、早速充電してみましょう。

電圧値と電流値を見たいので、
USBケーブルの差し込み口→電圧電流マルチチェッカー→Lightningコネクタ付のUSBケーブル(【実験ノート1】で使ったもの)→スマホ
の順に繋ぎます。

マルチチェッカーの値は… ●電圧と電流
写真の上2枚が電圧、下2枚が電流の値です。
(写真:左上5.21V、右上5.21V、左下0.59A、右下0.60A)
降圧コンバータを使っているので電圧は5.2Vくらいに抑えられています。

●充電結果
9:41(11%)→ 10:46(59%)
※写真右上と右下の時刻と%を参照
約1時間で48%増えたので、充電速度は満足な結果に。

 

「降圧コンバータ」をはじめ、インターネットで電子部品が手軽に買える時代。
発電した電気をどう使うか、何に使うか、電圧が高ければ降圧する等の基本を理解することで、小さな直流ワールドから始めればDIY出来そうです。

直流ワールドDIYの基本

1.使いたい直流稼働の機器(スマホ等)の電圧を確認する
2.その電圧より高い電圧の太陽光パネルを準備する(価格は発電量Wに比例)
3.降圧コンバータ等を使って電圧を調整する
※ここでは詳しく触れませんが、iPhone6sに充電する場合は、マイナスの導線を単純にUSBのマイナス側に接続するだけでは電流は流れません。
GND(グランド)に注意する必要があるそうです。

次回は、電子工作初心者の編集スタッフが、実際にDIYに挑戦した様子をご紹介します。
田路先生にアドバイスを頂きながら、材料の調達から始めます。

(つづく)

「連載:直流ワールドを広めよう!」へのご感想・ご質問など、皆様からのメッセージをお待ちしています。
編集部  info@sftee.or.jp

第3回 DIYでも出来る?!直流ワールド


 

+++++  Profile  +++++

田路和幸(とうじ かずゆき)

 

理学博士/東北大学大学院環境科学研究科教授(2010年度から4年間、研究科長)/NPO法人環境エネルギー技術研究所 理事長

ナノ素材とそのエネルギーデバイスへの応用に関する研究により2008年に文部科学大臣表彰 科学技術賞

「微弱エネルギー蓄電型エコハウスに関する省エネ技術開発(環境省)」「スマートビルDC/ACハイブリッド制御システム開発・実証(経済産業省)」「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト(文部科学省)」などエネルギー関連の研究開発プロジェクトのリーダーを務める。

▽こちらの本にも田路先生が直流ワールドについて書いておられます!