【直流ワールドを広めよう!】第6回 電気料金が下がるかも?契約容量をチェック!4つのSTEP

第6回では、東北大学大学院環境科学研究科 田路教授(以下、田路先生)のお話を交えながら、私たちが暮らしの中で使う電気と省エネについて考えます。

皆さんは、毎月、各家庭に届く電気料金のお知らせを詳しく見ていらっしゃいますか?

電力自由化をきっかけに、料金プランの変更や電力会社の変更を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
いっぽう、インターネットで「電気料金」と検索すると、新電力と呼ばれる電力会社の広告サイトや電気料金の比較サイトなど、多数出てきます。

納得のいく選択のためには情報収集もしたいけど、やみくもに始めても息切れしそうだし…

そんな方は、まずは現状把握から。

田路先生によると、電気の契約種別と容量が家庭によってはオーバースペックになっている場合があるようで、電力会社はそのままで基本料金が下がるかもしれません。

田路先生:
「新築の場合、住宅メーカーなどが設計時に、設置予定の家電の台数(例えば冷蔵庫1台、エアコン3台…)から電気容量を計算して、電気の契約種別と容量が決められます。でも、実際、暮らしてみて、エアコン3台を同時に使うことがなければ、当初の契約容量がオーバースペックになっている可能性があります。」

編集部スタッフ:
「私は賃貸マンションですが、契約種別はどこを見ればわかりますか?」

田路先生:
「東北電力から届く「電気ご使用量のお知らせ」を見ればわかります。」

編集部スタッフ:
「ちゃんと見たことはありませんでした(汗」


▲編集部スタッフの「電気ご使用量のお知らせ」29年8月分

「電気ご使用量のお知らせ」の上の方に、「契約種別・容量 従量電灯B  30アンペア」とあります。

そこで、東北電力のホームページを見てみると、一般家庭向け「スタンダードプラン」の基本料金は細かく設定されています。
10アンペア 1契約 324円00銭
15アンペア 1契約 486円00銭
20アンペア 1契約 648円00銭
30アンペア 1契約 972円00銭
40アンペア 1契約 1,296円00銭
50アンペア 1契約 1,620円00銭
60アンペア 1契約 1,944円00銭

もし、30アンペアから20アンペアに変更できたら、電気料金が300円以上安くなることになります。

編集部スタッフ:
「自分の家の契約容量が適当かどうかは、どうすれば確認できますか?」

田路先生:
「家にある家電のうち、同時に使う可能性のある家電の消費電力を合計して、それが最大値だから3kW(3000W※)以下であれば、ブレーカーが落ちないということだし、2kW(2000W※)以下であれば契約容量を20アンペアに下げられるということになります。」

※3kW(3000W)、2kW(2000W)の計算方法については、後述のSTEP4で詳しくご紹介しています。

 

田路先生のお話をもとに、契約容量が適当か確認する方法を4つのSTEPでわかりやすくご紹介します。

STEP1.
自宅の家電をリストアップする


自宅で使っている家電をリストアップします。
同時に使っているかどうかは最後に判断することにして、全体を把握するのにも役立ちますので、まずは思い出せるだけリストアップ。

STEP2.
各家電の消費電力を調べる


消費電力が本体に表示されていない場合は、取扱説明書を見たり、型番をインターネットで検索したり。
メーカーのウェブサイト等でわかるものもあります。

調べる時に案外面倒なのが照明。
高い所にあるので椅子を持ち出したり、カバーを外さないと消費電力や型番などがわからなかったり。

 

STEP3.
同時使用する家電の消費電力を合計する


家電を同時に使う時間帯といえば、夕飯の支度をしたり食べたりしている時間でしょうか。

例えば、夏はエアコンをつけたまま、炊飯器でご飯を炊きながら、電子レンジを使うかも…という具合で考えます。

 

STEP4.
適当な契約容量を確認する


 

計算式は、電力量(W)=電圧(V)×電流(A)を使います。

一般的なコンセントは100Vなので、
電圧=100(V)
契約容量が30アンペアであれば、
電流=30(A)
電力量(W)=100(V)×30(A)→3000(W)

よって、契約容量30アンペアの家は消費電力3000Wまでブレーカーが落ちない、ということになります。

●同時に使う家電の消費電力(W)の合計と適当な契約容量(アンペア)
1000〜2000W→ 20アンペア
2000〜3000W→ 30アンペア
3000〜4000W→ 40アンペア
4000〜5000W→ 50アンペア

 

<編集部スタッフの場合>

編集部スタッフが、STEP1からSTEP4にそって、同時に使うことがある家電(★印)の合計を計算してみると…
冷蔵庫160+電子レンジ960+テレビ277+エアコン455+照明18×3→1906W

なんと2000W以下に!現在の契約容量30アンペアを20アンペアに変更しても問題ないかもしれません!

□冷蔵庫160/160★
□炊飯器 1100
□ポット 905
□ホームベーカリー 75/70
□電子レンジ 960★
□テレビ 277★
□エアコン(寝室)冷房455 暖房385 ★
□ドライヤー 1200
□洗濯機 290W
□FAX&プリンタ
□スキャナ
□照明(ダイニング)18W 蛍光灯×3本★
□照明(和室)12.9W LED
□照明(寝室)11W LED
□照明(玄関)28W 蛍光灯
□照明(お風呂)11W 白熱灯
□照明(洗面室)4.2W LED

 

こうしてみると、炊飯器、ポット、電子レンジ、ドライヤーの消費電力が大きいことがわかります。

「家電の省エネ技術は数年間で結構進んでいるので、家電によっては、買い替えるだけでも消費電力はかなり減ります。」と田路先生。

また、エアコンが各部屋に備え付けてあるような一戸建てだと、契約電灯CになっていてBに下げられる場合もあるようです。
そして、新築する際に200V30A以内で設備設計することで、エネルギー量の絶対値を下げることができるとも。

電気の専門家でなくても、自分の家の消費電力は簡単に調べられます。
我が家の契約容量も下げられるかも?!と思われた方は、ぜひ、消費電力を計算してみてはいかがでしょうか。

(つづく)

「連載:直流ワールドを広めよう!」へのご感想・ご質問など、皆様からのメッセージをお待ちしています。
編集部  info@sftee.or.jp

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+++++  Profile  +++++

田路和幸(とうじ かずゆき)

理学博士/東北大学大学院環境科学研究科教授(2010年度から4年間、研究科長)/NPO法人環境エネルギー技術研究所 理事長

ナノ素材とそのエネルギーデバイスへの応用に関する研究により2008年に文部科学大臣表彰 科学技術賞

「微弱エネルギー蓄電型エコハウスに関する省エネ技術開発(環境省)」「スマートビルDC/ACハイブリッド制御システム開発・実証(経済産業省)」「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト(文部科学省)」などエネルギー関連の研究開発プロジェクトのリーダーを務める。

▽こちらの本にも田路先生が直流ワールドについて書いておられます!