【直流ワールドを広めよう!】第8回 暮らしに役立つ!消費電力の見える化(①ベースを知る)

第8回~第10回では、東北大学大学院環境科学研究科 田路教授(以下、田路先生)に、編集部スタッフ自宅の消費電力のグラフを見て頂きながらお話を伺います。

皆さんは、スマートメーターをご存じですか?
東北電力によると、すでに平成27年1月から、サービスエリア内の既存の電力メーターをスマートメーターへ取替える作業が始まっており、平成35年末までに完了予定とのこと。
実は、編集部スタッフが住んでいる仙台市内の賃貸マンションもいつの間にかスマートメーターに切り替わっていました。
スマートメーターに切り替わると何が良いのでしょうか。
一言でいうならば、一般家庭において、費用負担無く簡単にエネルギーの見える化ができるということです。
見える化できると、各家庭がそれぞれにあった方法で省エネするなど、暮らしに役立てることができます。

高価なエネルギーマネジメントシステムを導入しなくとも、まずは、東北電力のウェブサイトから「よりそうeねっと」に登録(無料)すれば、日別や時間別の消費電力を確認出来るようになります。

そこで、最近、「よりそうeねっと」に登録した編集部スタッフが、見える化したことを日々の暮らしに役立てるべく、消費電力のグラフを田路先生に見て頂きながら、お話を伺いました。

 

 

 

POINT1.消費電力のベースを知って待機電力や省エネについて考える

編集部スタッフ:
「我が家の消費電力が見える化できるようになったので、グラフを一緒に見て頂きながら、暮らしに役立つヒントを伺えればと思います。」

編集部スタッフ:
「1枚目が12月14日~1月15日の1ヶ月間の日別のグラフで、2枚目が終日家に居た1月3日と終日外出だった1月1日、夏に終日家に居た8月6日の時間別のグラフです。」

田路先生:
「まず、この‘ベース’を把握することが大事。」

編集部スタッフ:
「主には冷蔵庫ですよね?」

田路先生:
「そうだね。この1月のグラフを見ると冷蔵庫は100Whもいかないということがわかる。あとは待機電力もある。」

編集部スタッフ:
「そうですね。実は、以前は、待機電力については全く気にしていませんでした。それが、10Wの太陽光パネルを使って実際にスマホに充電したりするうちに、気になるようになりました。」
第5回の記事で太陽光発電によるスマホへの充電の様子を紹介しています。)

田路先生:
「自分でやってみると色々わかる。小さい電力でも結構使えるということも。ただ、待機電力分の電気料金は一世帯でみたら微々たるもの。そこを省エネしよう、という意識に皆が向かうかというとそうでもないのが難しいところ。」

さらに、直流→交流→直流の変換ロスについても、「企業のサーバーセンターであれば、直流給電にして変換ロスをなくすことで年間数千万円分の電気料金削減になったりするけれど、一世帯で変換ロスを減らしても削減される電気料金は微々たるもの。」と田路先生。

実際、編集部スタッフの電気料金は、基本料金(960円)+1kWh18円24銭〜24円87銭です。時間帯にもよりますが、1kWhの削減で節約できる金額は30円以下。日本全体が4,700万世帯だとすると30円×4,700万世帯=14億円分、となりますが、誰得感は否めません。

電気料金の削減だけを動機付けに、今以上に省エネの輪を広げるのは限界がありそうです。
義務感や節約志向だけではなく、便利さ、楽しさ、面白さが増えることが、全体的な省エネに繋がるのかもしれません。

(つづく)

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編集部 info@sftee.or.jp

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田路和幸(とうじ かずゆき)

理学博士/東北大学大学院環境科学研究科教授(2010年度から4年間、研究科長)/NPO法人環境エネルギー技術研究所 理事長

ナノ素材とそのエネルギーデバイスへの応用に関する研究により2008年に文部科学大臣表彰 科学技術賞

「微弱エネルギー蓄電型エコハウスに関する省エネ技術開発(環境省)」「スマートビルDC/ACハイブリッド制御システム開発・実証(経済産業省)」「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト(文部科学省)」などエネルギー関連の研究開発プロジェクトのリーダーを務める。

▽こちらの本にも田路先生が直流ワールドについて書いておられます!