【直流ワールドを広めよう!】第9回 暮らしに役立つ!消費電力の見える化(②ミニマムな太陽光発電)

第8回では、編集部スタッフの家の消費電力のグラフを東北大学大学院環境科学研究科 田路教授(以下、田路先生)に見て頂き、お話を伺いながら、消費電力のベースを知って、待機電力や省エネについて考えました。

第9回では、消費電力のグラフを見ながら、ミニマムな太陽光発電について考えます。

POINT2.時間帯別のグラフからミニマムな太陽光発電について考える

編集部スタッフ:
「もし、私の家で太陽光パネルを導入するとしたら、このグラフからわかることはありますか?」


▲仮に、晴れた日を想定すると、太陽光発電による発電量は赤い曲線のようになります。又、赤く網掛けした部分が余剰電力となります。

田路先生:
「例えば、この時間別の折れ線グラフを見てみよう。仙台で太陽光パネルが発電する時間帯(10時くらい~14時くらい)を見てみると、500Wh以上発電しても自家消費しきれないということがわかる。ということは、500Wくらいの太陽光パネルがあれば十分ということ。それでも自家消費しきれない余剰分(赤く塗りつぶした部分)が出てくるので、その余剰分を無駄なく使うくらいの丁度いい負荷を用意しておくといい。例えばパソコンやスマホ、電動アシスト自転車の充電にもいい。小さな蓄電池を用意してもいい。」

編集部スタッフ:
「そういう風に考えるのですね。」

太陽光パネルが発電する時間帯で、自家消費しきれないラインを把握するということ、これが地産地消の基本と言えます。
誰も家にいない平日の昼間のことを考えると200Wくらいの太陽光パネルでもいいかな、と考えたりすることも出来ます。
見える化できると、判断材料が増えます。

「日本の家庭で、太陽光発電して、そのまま自家消費できる電力は、せいぜい数百Wh/日程度。大きな太陽光パネルの設置は、基本的には必要ない。日本の1,000万世帯が500Wの太陽光パネル(約2㎡)を駐車場の屋根に設置した場合、約2,000万kW※1の再生可能エネルギーをつくり自家消費することができる。これは100万kWの原発の20基に相当する。」と、田路先生。
※1:約2,000万kW→500W×4h=2,000Wh=2kWh、2kWh×1,000万

一般的に見かける売電ありきの太陽光発電システムは、パワーコンディショナも必要になり、初期費用はそれなりに高くなります。
※2パワーコンディショナ:系統連係する際に必要。又、太陽光発電などでつくられた直流の電気を、交流に変換し、コンセントから使えるようにするための変換機器。

まずは、自家消費+足りない分は電力会社から買う、と考えることで、それぞれの家庭にあった、無理のない無駄のない太陽光発電システムを構築することが出来ると言えます。

さらに、太陽光パネルを置く場所も重要です。
少しでもパネル面に影ができると、発電効率はぐっと落ちます。
田路先生によると、太陽の光は平行光なので、角度も大事なのだとか。


実験ノート5の記事で、パネル面が影になった時、発電量がどれくらい減るのかを紹介しています。

一般的には戸建て住宅の屋根に設置されているイメージですが、スマホに充電するくらいの小さな太陽光発電であれば、マンションのベランダでも可能です。
太陽光発電に興味がわいたら、まずはスマホへ充電できる太陽光発電をDIYしてみると良いかもしれません。

第5回の記事でスマホに充電できる太陽光発電のDIYの様子を紹介しています。

(つづく)

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編集部 info@sftee.or.jp

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田路和幸(とうじ かずゆき)

理学博士/東北大学大学院環境科学研究科教授(2010年度から4年間、研究科長)/NPO法人環境エネルギー技術研究所 理事長

ナノ素材とそのエネルギーデバイスへの応用に関する研究により2008年に文部科学大臣表彰 科学技術賞

「微弱エネルギー蓄電型エコハウスに関する省エネ技術開発(環境省)」「スマートビルDC/ACハイブリッド制御システム開発・実証(経済産業省)」「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト(文部科学省)」などエネルギー関連の研究開発プロジェクトのリーダーを務める。

▽こちらの本にも田路先生が直流ワールドについて書いておられます!